夢を語って損をする話し方

今回の記事は、自分の夢や目的を誰かに伝える時に注意した方が良い点と見直した方が良い心理的特徴について書いています。

自分の夢について話すことは、その夢を応援したいと声を掛けてくれる人が現れる可能性が生じます。
私も仕事をしていて、そんな話を聴く機会も多いし、夢について話すことは少なくても小さな目的について話す機会は良くあります。
これまでに何度も人が夢について話している時、何となく違和感を感じることがあり、それが何なのかと考えてみたところ話の中に以下のような要素があると気が付きました。

それは、固定観念が強いという点、そして固定観念によって自分の夢を語りながら他者を否定している点です。

否定的な思考を持ちやすいステレオタイプ

固定観念の強さは、1つの対象への好悪、正邪、善悪、優劣などの感情が強くなり、その対象への否定的な考え方が強まることにつながります。
このような特徴をステレオタイプと言いますが、この特徴が強すぎると無意識に言動が過激になり、他人から警戒されやすくなります。

ステレオタイプは、人種や出身地、ジェンダー、学歴、職業などに対して表れやすい特徴です。
私の仕事でも、過剰に精神科医や薬物療法を否定するカウンセラーがいたり、過剰にカウンセラーやカウンセリングを否定する医師がいますが、本来はお互いが補完し合って心の病の人を援助していく職業であり方法なので、ステレオタイプが強すぎると仕事上の協力関係を築く妨げになったります。

人の取り組みを妨げる夢

夢に向かって努力をすることは大切なことですが、自分の夢を語る時に他者を否定してしまう人は、その夢が現実的になるのなら他人の取り組みが妨げられるという印象を話を聴いている相手に与えているという自覚が弱いように思います。
例えば、「ラーメン屋を全国でチェーン展開したいという夢を持った人が、その夢が達成した結果として小さな規模のラーメン屋さんを潰したい。」と言う人がいたら、すごく傲慢な感じがするし、その夢の達成の先に明るさが感じられないので、応援したいという気持ちが湧かないと思います。

自分の望みを適える上で、誰かの取り組みを否定して排除しようとする人は、自我の肥大化が起きている可能性があります。
自我が肥大化している人は、自分だけが利益を得ることを考えてしまい、他人への共感力が低いため、自分の夢の達成が他者の不利益を与えるような夢を語ってしまう可能性があります。

夢を応援してもらえる人とは

自分の夢が、固定観念から生じる攻撃性が強すぎたり、自我の肥大化が影響しているものだった場合、他人から共感を得ることは難しいでしょう。
誰かに応援してもらえる夢は、夢の達成の先に明るいイメージがあり、そのイメージは誰が幸せになっているのかがわかりやすいという特徴があります。
その人の夢が達成されることに対して、話を聴いた自分も良いことだと思えて共感してもらえるようであれば、応援はもちろん協力を得られる可能性も高まります。

実は、ステレオタイプで自我が肥大化しているけど、仕事がある程度は上手くいっている人はいます。
何かを行うためには、ステレオタイプの人が持つ攻撃性は行動の原動力になり、自我の肥大化は思い切った決断につながることもあるので、それによって仕事の成果が出ることがあるからです。
しかし、成果を出しているにも関わらず虚無感や孤独感を抱えているという成果の割に幸福度が低いという状態であることが多いように思います。

自分の夢を持って活動している人は、その背景にある心理的特徴を整理しておくことが大切です。
ステレオタイプで自我が肥大化してしまっていると、誰かに夢を語れば語るほど気づかないうちに人の心が自分から離れていっている可能性があります。
もし、自分の夢の背景にステレオタイプや自我の肥大化が感じられたら、それを認めることによって自分の活動を見直していくことも可能になります。
そして、夢の内容や動機を修正することができれば、他人からの応援や協力が得られ、自分の活動自体に充実感を感じられるようになるのではないかと思います。

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