話を聴くための想像力と知識の関係
一昨に日配信した記事で、「誰かを支援する立場に立って話を聴く時に、想像力を働かせることが知識を提供することよりも大切だ」というようなことを書きましたが、今回の記事は想像力と知識の関係について書きたいと思います。
知識が想像を豊かにする
私は、後輩のカウンセラーには学び続けることが大切だと伝えていますし、私にカウンセリングを教えてくださった先生からもそう教わっています。
学び続けることがなぜ大切かは、いくつかの答えがあると思いますが、その中の1つは話を聴く際に豊かな想像力を働かすことができるようになるためだと考えています。
その理由は、知識を得ることが想像力を豊かにすることにつながるからです。
カウンセリングの場面を例に出して説明すると、うつ病に関して知識が乏しいカウンセラーは、うつ病の人の話を聴いて病院で薬物療法を受ける方がいいのか、それともカウンセリングを継続してもらった方が良いのか判断することができません。
うつ病に関する知識があれば、クライエントがうつ病になった理由が、脳がうつになりやすい性質であるせいなのか、過度なストレスによるものなのかを見極めることができます。
うつ病の知識があれば話を聴いた時に、想像力働かせていくつかの過程を立てることができます。
過程を立てることができれば、クライエントに適切な質問をすることができて、クライエントの返答からどうすればうつ病が改善されるか予測を立てることができます。
カウンセラーに知識が無ければ、病院に通うべき人にカウンセリングを継続させてしまったり、的外れなアドバイスをしてクライエントの改善を妨げてしまうことになります。
私が人を支援する立場の人が学び続ける必要があると思っているのは、想像力を働かせることで的外れな対応をしないため、そしてその先により適した対応ができるようになるために豊かな想像力が必要で、その想像力を支えているものの一つが知識だからです。
想像力を働かせると知識が足りないことがわかる
話を聴いている時に想像力を働かせることを意識していると、どうしても上手く想像できないところがあるということに気づくこともできます。
そんな時は、相手に質問をして想像の手助けになる情報を提供してもらうということを選択することもできます。
また相手の相談に対応するためには、どんな知識を学ぶ必要があるか気づくこともできます。
想像力は、自分の知識の不十分さに気づくための力でもあるので、相談者に対して不適切な対応をすることを防ぐことにもつながります。
まとめ
知識は想像力の幅を広げるものであり、想像力は知識の必要性を気づかせてくれるものでもあると思います。
話を聴いている最中の優先順位としては、想像力を働かせることが優先で、知識は話を想像力の幅を広げるため、そして相手に適した情報を伝えるためのものになります。
人の援助をする立場にある人の準備としては、想像力を豊かにするためにも、適した情報を提供できるようになるためにも、知識を更新し続けるということが大切だと思っています。