カウンセラーとして働き始めて12年になり、現在で臨床数は6000件を超えるくらいになると思いますが、この経験の中で感じている心の支援となる話の聴き方について書きたいと思います。
私が実践している話の聴き方
私がカウンセリングやコーチングなどを行う時に大切だと思っているものは次の4つの力です。
傾聴力、想像力、知識力、言語力
相手の悩みや課題の解決につながる話の聴き方ができている人は、この4つを一定のレベルで持ち合わせていると感じています。
話を聴く技術の幹と枝葉
話を聴く上で大切な4つの力ですが、この中で話を聴く技術の土台となるのは傾聴力と想像力です。
傾聴力の低い人は、話を聴いている最中に相手が話す気が無くなったり、大切な話を引き出せないということが起きてしまいます。
想像力の低い人は、話を聴いた時に言語として表現されていること以外の情報について想像することができないため、良い質問をして話を展開していくこともできないし、適切なアドバイスをすることもできません。
知識力と言語力は、相手の心の救いになる言葉を掛けることや有益なアドバイスをするために必要な力ですが、傾聴と想像ができていてこそ的確な言葉がけやアドバイスができるのです。
カウンセラーだけでなく、親子関係や仕事、スポーツや習い事の指導などでも、相手を支援する立場の人には傾聴と想像ができてこそ、適切な言葉がけやアドバイスができるということが当てはまるのではないかと思います。
傾聴力と想像力の高め方
相手の支援となるような話の聴き方を身につけるために傾聴力と想像力は欠かせないのですが、これらを高めるにはどうしたらいいのでしょうか。
まず傾聴力ですが、自分では少し大げさだと思うくらいにうなずいたり、相槌を打って話を聴くようにして下さい。
そうすると相手が調子よく話せるようになります。
さらに何か相手に行ってあげたい、アドバイスをしたいと思っても、それをせずに話を聴き続けることを意識して下さい。
カウンセリングでも、どのタイミングでアドバイスをするかによって話をするクライエントの満足度が変ってくるので、まずはそのタイミングを見極めることができるようになるまで、話を聴き続けるようにしてみて下さい。
そうすると、自分が言ってあげたかったことを相手が気づいて、自ら言葉にすることがあります。
相手が知らない情報は、タイミングを見て伝えることも必要ですが、自分が伝えたいと思っていることが、相手が気づきとして生じるものであれば、そのタイミングを待ってあげることも大切です。
想像力は、相手の話を聴きながらその人を取り巻く環境や話の中に登場する人物の心境、相手が言葉にできていない心情など、話の中で言語化されていないことについても思いを巡らせるということを強く意識することで高めることができます。
簡単なことではないですが、想像力は想像しようと強く意識しなければ働かない人もいるので、まずは意識して想像するという心理的作業を行ってください。
最後に
上記に書いていることは、私がカウンセリングやコーチングをする時に心がけていることで、傾聴と想像がしっかりと出来ている時は、良いカウンセリング、良いコーチングができているので、子供や配偶者の話を聴く時、仕事やスポーツなどで指導をする時、人から相談を受ける時などに実践して頂く価値があると思います。